対照的

先日受賞者が地球規模で活動しているので「魅力的な地球人」と書きましたが、それでふっと気づいたことがあります。
佳作の潮田眞弓さんは、対照的に、滋賀県米原で生まれ滋賀大学を卒業、結婚し、今も生まれた土地で教師をしているのです。
かつて、どこかで(たぶん親しくしている女医さんから)、聞いたことがあるのですが、人は生まれた土地から数キロ以上離れた土地でできる食べ物や水を口にしないほうが本当は身体にはよい、って。
こんな時代、無理な話ですが、北海道から大阪に来て暮らしている私には、生まれた土地で、その土の滋養をそのまま受けて生きている潮田さんのような生き方に羨ましさも感じます。

潮田さんを育んだ米原は歴史的に、古代から重要な舞台になった土地です。
今は町村合併で米原市になってしまいましたが、応神天皇の母の神功皇后(息長帯姫)などを出す息長氏族の本貫地だし、以前に時空を超えてで書いた「朝妻」もある、関ヶ原もそば。
歴史的にいえば書くテーマがてんこ盛りの土地です。

とはいえ、今回佳作になった「空想キッチン」は非常に都会的な小説です。
30代無職独身で料理にこだわりのある「美月」が主人公。
病気で引きこもりになってしまった姉に代わり、母親代わり、主婦代わりで姉の一家が住む高級マンションで家事と育児をこなす。特にそのキッチンは彼女にとって理想の最新設備であったので、完璧な料理を作る完璧なキッチンにすべく情熱を傾けていたが、ある日、ふとしたことでこの家のキッチンの本当の主人公は自分ではないことに気づき、すべてが空虚に思う、というような内容です。

料理のうんちくがいっぱい、そのぶん読者の突っ込みどころも多かったりですが、面白い作品です。
こちらも『鐘22号』に掲載します。どうぞお楽しみに。

*あ~、思い出しました。先ほどの女医さんの話、あの話は彼女が飛行機嫌いで、ぜったいに飛行機には乗らない。車か列車移動で行ける所しか私は行かない、という、ほんとうは物体が空を飛ぶのが信じられないし怖いから嫌だ、という本音をカモフラージュするためにしたお話でした。
いきなり飛んで遠くの空気を吸うのも身体には負担?!っていうのも含めて(笑)。
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テーマ : 日記
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

尾川裕子

Author:尾川裕子
大阪女性文芸協会代表
日本文藝家協会会員

「晴れたらいいね」というタイトルは、「毎日が明るい日であればいいね」と思う気持ちと主催している文学賞の応募者に「あなたの作品が受賞できたらいいね」という思いを重ねたものです。

応募希望者は「応募希望者へ」と「大阪女性文芸賞」のカテゴリをごらんください。

おしゃべりと食べることお酒を飲むことが大好きです。
文学だけでなく歴史オタクでもあります。
どうぞよろしく。

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