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(8)密事あり

時空を超えて(8)
      ──前回の「小男の草子と一寸法師」の続き

以前、このシリーズの(1)で「小男の草子」について書いたときに、
姿も身分も違う高貴な女性を妻に出来るという和歌の呪術的な力に関して

「この話を深読みすると、柿本人麻呂が天皇の后と通じたという伝承(そういう伝承があるのですよ。しかもその后が誰かもわからない、文武の后というのがあったり持統という話があったり。「柿本人麻呂」自体も謎だらけなのです)も、和歌の力、言霊の力が、境界を超えるということでできた、根本は似た話ではないかと思ってしまう。」
と私は書いたのだが、
今日、あらためて、そういえば、昨日書いた住吉明神に関しても、
住吉大社神代記に、
「住吉大神と神功皇后に密事あり」という記録があることを思い出した。
つまり住吉明神と神功皇后に不倫があったということである。

柿本人麻呂の皇后との不倫も住吉明神の皇后との不倫も
一つ一つで見ると、ショッキングな内容とはいえ、
あーそうですか、という話であるが、
こうして並べてみたらどんなものだろう。
和歌三神の男の神が二柱が二柱とも皇后と通じたというのである。
三神の唯一の女の神は天皇に奉げられた女である。

和歌の力とというか神と天皇や皇后とが
すこぶる肉体的に近い話になってはいまいか。
もっともこうしたストーリーが成立するのは平安時代なのだが、
単なる偶然とも思えない。
このあたりを、もうすこし注目して
専門家は研究してみて欲しいものである。

*このシリーズのコピペは禁止です
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テーマ : 雑記
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

尾川裕子

Author:尾川裕子
大阪女性文芸協会代表
日本文藝家協会会員

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