津島佑子先生を悼む

先ほど、ヤフーのニュースで訃報を知り、かなり動揺しております。
津島先生は私どもの賞の選考委員を第21回から今度の33回まで務めてくださいました。
賞の選考だけでなく、シンポジウムも一緒に開催したり、私とは奈良の県立図書情報館のイベントで対談もさせていただきました。
気さくなお人柄で、一緒に温泉へ入ったり、鶴橋を散策したり、楽しい思い出がたくさんあります。

昨年の贈呈式の前に、突然高熱が出て、即刻入院、どうも肺炎を起こしたようだ、とおっしゃられ、贈呈式を欠席されました。
その後、しばらくして、33回の選考会に関して、実は病気で、今の状態ではいつもと同じような会議をする形の選考会には出ることができない、外出することがあまりできない、というお話をされました。
ただ、何のご病気かはどなたにもお話されたくないようで、私どもはただただ心配するばかりでした。

第33回の賞の応募要項には選考委員としてすでに津島先生のお名前を出しておりましたので、今回は、先生のご意見を書面でご提出いただき、それを黒井千次先生に読んで頂いた上で、両先生が電話で話し合って結論を出す、という形にいたしました。

選考会の当日、私の携帯電話を使って、電話での会議が行われたのですが、私との簡単な挨拶を含め、携帯電話の記録では会話した時間は12分でした。
電話を切る前に、「尾川さん、私、今、こうしているのも実はつらい状態」とおっしゃられました。
今も私の耳に先生の息や言葉がそのまま残っております。
そして、考えれば、私が耳にした先生の肉声はその言葉が最後になるのですか……。
今、私もつらい気持ちです。

先生は、来年度からの後継の選考委員として中沢けい先生を推薦され、私どもも、それはありがたいお話だと、そしてその橋渡しも津島先生がしてくださいました。

第33回大阪女性文芸賞掲載誌『鐘28号』はこの月曜日にできあがり、発送したばかりです。
そこに載せる選評をメールで頂戴し、1月初めにゲラをFAXでお送りし、翌日のお昼に先生から直しが返ってまいりました。
その隅に「ご心配をおかけしてすみません」と書かれていて、それが先生から頂いた肉筆の最後の文字になるのだと、思えば思うほど、信じられない、寂しい気持ちでいっぱいです。
おそらく『鐘28号』はご自宅に生存中に届いたこととは思いますが、目にはされておられないかもしれません。

ちょうど先生の亡くなられたころ、鐘28号が無事出来上がったので、改めて先生へ今までのお礼の手紙を書こう、それに付けて何か召し上がっていただくような物を探しに明日近くのデパートへ行きたいと、家人に車を出してもらうよう頼んで、先生の話をしていたのでした。

肺がんだったのでしたか。
こんなに早くに亡くなられるとは思ってもなく、呆然としながら、とりとめもなく書いております。

津島佑子先生、今まで、ほんとうにありがとうございました。
ご冥福を心からお祈りしております。














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河野多惠子先生を悼む

昨年秋に文化勲章を受章された作家・河野多惠子先生が亡くなられました。
河野先生は、私ども大阪女性文芸協会にとって恩人です。
私どもが33年前に大阪女性文芸賞を立ち上げた当時、文学賞の選考委員は男性ばかり、文芸評論家も男性しかいない時代でした。
そんな時代に女性が本音で書いたものは、時として認めてもらいにくかったと、初代の代表をはじめとする創立時の理事たちから伺いました。
大阪女性文芸賞はそうした事情から無謀にも「女性のために女性が作る小説の新人文学賞を」と立ち上げたものでした。

初代の副代表・田能千世子さんは、河野先生の大阪府立女子専門学校(後の大阪女子大、現在は統合されて府立大学)の先輩であったため、田能さんが河野先生へ選考委員をお願いする旨の手紙を書き、私どもの思いをしっかり受け止めて先生が第1回から第20回までお引き受けくださったのでした。
大阪出身の先生にとって、大阪の女どもがパッションで立ち上げた私どもの賞を、身内が頑張る気なら力にならなければならないと思ってくださったのかもしれません。

当時女性作家は「女流作家」と言われていた時代でした。
私どもの賞の名も初めは「大阪女流文芸賞」にしようかという話があったそうですが、河野先生が「男流作家という言葉がないのは男が主流で、女流作家は主流ではない別流という意識で使われてきた言葉です。女流ではなく女性文芸賞にしたほうがよい」と言われて「大阪女性文芸賞」という賞の名前が決まったのでした。
また私どもが発行している冊子の「鐘」という名前の名付け親も先生でした。
「お寺の鐘は、普通は大きな棒で突かないと鳴らないものだけれど、人の指1本でも根気よく何度も何度も突いていると大きく鳴るものだと言います。小さな力でも根気よく続けて大きく世の中に鳴り響くような作家を誕生させなさい」という意味で名づけてくださいました。

そのように、私どもの活動を一から導き、ご協力くださった恩人でした。
突然の訃報に、ショックを受けております。
ご冥福を心からお祈りいたします。

訃報

昨日、5月3日の午後2時、私ども大阪女性文芸協会会員で、元副代表を務めてくださった滋賀県在住の作家・畑裕子さんが肺腺がんにより、お亡くなりになりました。
ご冥福を心よりお祈りいたします。

畑さんと私は25年近くも前から親しくさせていただき、畑さんの2回行った出版記念パーティは2回とも私が司会をしました。2回目の話はこのブログにも記事にしました。
記事


思えば、その時が、畑さんと会った最後になるのですね…。
前日から彼女が取ってくださったパーティ会場の中のホテルへ泊り、夕食を二人で食べ、久しぶりに楽しいひと時を過ごしたのでした。

奈良女子大を出た才色兼備の女性でしたが、おっとりしていてどこか底が抜けたところ、今で言う「天然」なところがあり、面白い楽しい思い出がたくさん私に残っています。
何度も滋賀へ遊びに行きました。
いろんなところへ車で連れて行っていただき、美味しいお店も教えていただきました。
私が他の友達を誘って近江八幡へ出かけて案内するのは全部彼女に教えていただいたところです。

2年前に、私が再生不良性貧血で倒れた時、心配してお電話をくださった畑さん、あのとき彼女も血液の数値がすこしおかしいのだが異常はないらしい、しかし数か月に一度検査はしている、というお話をしておられました。
もっともっとしっかり他で調べて頂けばよかったのに。
九死に一生を得て、私が退院した直後に、今度は畑さんが倒れたのでした。
電話で伺うに、腰痛だとばかり思っていたものが、がんの転移による圧迫骨折で、末期であったと、まるで悪い夢を見ているようだと、そういうお話でした。

医学の進歩のおかげで、私が10年前なら半年以内に死んでいた命が助かったのだから、畑さんだってきっと、と信じたかったし、一時は薬のイレッサが体に合いとてもよく効いているというメールをいただいていたので、心配しながら少しでも長く生きてと念じていたのでした。

訃報に心が痛みます。
明日、最後の畑さんのお顔と最後のお別れをしに参ります。

通夜 :5月5日19:00~
告別式:5月6日11:30~
会場 :タウンホール近江八幡

なお、後日、しのぶ会を行う予定です。















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片島麦子さん本格的にデビュー

うれしいお知らせです。
第28回大阪女性文芸賞を佳作受賞した片島麦子さんが、6月14日に、講談社から本格的にデビューしました。
おめでとう。
         中指の魔法

文庫で本体価格495円、税込だと520円です。
書店で見つけたらぜひ手に取ってみてください。
もちろん買っていただけたらありがたいです。
ネットでも購入できますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本のカバーに書かれた片島さんのプロフィールに第28回大阪女性文芸賞佳作と書かれております。
私どもの佳作の受賞が決まった同じころ、幻冬舎の第4回パピルス新人賞の特別賞も獲り、翌年には本が出る予定だったのに、残念ながら実現できず、彼女の才能を買っていた私はとても気にかかっていたのですが、やはり表に出る人だったのですね、講談社のワルプルギス賞を受賞されて、この度その受賞作でデビューされました。

これからもどんどんいい作品を生み出してください。
ほんとうにおめでとう。


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創設30周年記念 贈呈式とトークイベントご案内

おかげさまで大阪女性文芸賞もこの度30周年を迎えることができました。
そこで、第30回の賞の贈呈式に併せ、記念のイベントを一般公開で、下記のように開催いたします。
参加無料です。席に余裕があります、希望者はどうぞ直接会場へおこしください

「大阪女性文芸賞」30周年記念
      贈呈式&トークイベント

第1部 第30回大阪女性文芸賞 贈呈式
     受賞作『バロット(「雛を弔う」改題)』 津川有香子
     佳作 『女子会をいたしましょう』  ひわきゆりこ
     選評
第2部 30周年記念トークイベント 
     鼎談『大阪と文学』
      黒井千次 作家
      津島佑子 作家
      尾川裕子 大阪女性文芸協会代表
●フルートの演奏もあります。

☆日時:3月16日(土)午後1時~(受付12時30分~)
☆場所:大阪弥生会館 
     大阪市北区芝田町2―4―53 地図
     (JR大阪駅、地下鉄・阪急阪神「梅田」駅徒歩3分)
☆参加費:無料
    問い合わせ先:電話072-922-2839
      (電話は12時~21時頃まででお願いします。15日は午後16時30分以降留守です)
主催 大阪女性文芸協会
協賛 アサヒビール㈱ ㈱日本トリム 岩谷産業㈱ 全日空(株)
後援 読売新聞大阪本社 朝日新聞大阪本社 毎日新聞大阪本社 産経新聞大阪本社

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プロフィール

尾川裕子

Author:尾川裕子
大阪女性文芸協会代表
日本文藝家協会会員

「晴れたらいいね」というタイトルは、「毎日が明るい日であればいいね」と思う気持ちと主催している文学賞の応募者に「あなたの作品が受賞できたらいいね」という思いを重ねたものです。

応募希望者は「応募希望者へ」と「大阪女性文芸賞」のカテゴリをごらんください。

おしゃべりと食べることお酒を飲むことが大好きです。
文学だけでなく歴史オタクでもあります。
どうぞよろしく。

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